不動産担保ローンを利用する場合
不動産担保ローンを利用するためには、抵当権設定登記の手続きを行う必要があります。この抵当権設定登記を行うためには権利証が必要になってきます。
不動産担保ローンのために権利証を探したけれど見つからない、権利証を紛失してしまったという場合でも、権利証なしで融資を受ける方法はあるのでしょうか?
抵当権設定登記の手続きに必要なもの
抵当権設定登記の手続きには「権利証」「印鑑証明書」「実印(印鑑登録されているハンコ)」などが必要になります。
不動産担保ローンの契約時には、権利証が必要になる場合があります。不動産登記法が改正され、2004年に権利証は廃止されましたが、権利証が廃止される以前に取得した不動産を担保にする場合は権利証が必要になってきます。
権利証は再発行できる?
権利証は、いかなる理由があっても再発行をしてもらうことはできませんが、権利証を紛失した場合でも抵当権設定登記の手続きを行うことは可能です。
権利証を紛失した人が不動産担保ローンを申し込む方法
権利証をなくしてしまったとしても、不動産を所有しているという事実がなくなってしまったわけではありません。不動産担保ローンを申し込むにあたり、以下の方法が必要になります。
事前通知制度を利用しましょう
事前通知とは、登記名義人が権利証を提供できない状態で抵当権設定登記などの申請があった場合、法務局から申請の内容に誤りがないかについて登記名義人に事実確認を行った上で登記が行われる制度のことです。
権利証が提出していない状態で登記内容に変更があった場合、法務局から確認のためのはがきが送られてくるようになっています。
法務局からはがきが送られてきたら、通知発送の日から2週間以内に「この申請は事実です」という欄に署名と実印を捺印して返送しなければいけません。
事前通知を利用する場合は手数料がかかりませんが、法務局から送られてきたはがきが受理されてから登記の実行が行われるため、登記が完了するまでに時間がかかることがあります。また、申請期間内にはがきが届かなかった場合は、登記申請が却下されてしまうので注意が必要です。
それ以外にできることは?
資格者代理人による本人確認証明情報の作成を司法書士に依頼
事前通知制度は手数料がかかりませんが、登記申請が実行されるまでに時間がかかるだけではなく、申請期間内にはがきが届かなった場合は登記申請が却下されてしまいます。
できるだけ早く登記を実行させたい、登記が却下されないためにできることは、司法書士に「資格者代理人による本人確認証明情報の作成」を依頼する方法です。
司法書士などの法律の専門家に代理申請を依頼し、申請者が本人であることを証明する「本人確認証明情報」を提供することで事前通知が省略できる制度になります。
司法書士に依頼する場合、「事前通知」と「前住所通知」を省略できるため手続きの時間を短縮することができますが、依頼した司法書士に対して5~10万円程度の報酬費用を支払わなければいけません。まずは相談してみてもいいかもしれませんね。
前住所通知とは
前住所通知とは、登記名義人が過去3か月以内に住所変更登記をしている場合は、変更前の前住所に対しても確認の通知が送られる制度のことです。
3ヶ月以内に住所変更登記をしていた場合は、前に住んでいた住所に通知が送られてしまうので、このケースに該当する場合は本人確認証明情報を作成する方が良いかもしれませんね。
公証人役場で本人確認を行う
権利証を紛失してしまったときに本人確認を行う方法として、公証人役場で本人確認を行うというものがあります。これは司法書士などに本人確認の依頼をする代わりに、指定された書類を持参して公証人役場で名義人本人が本人確認を行うものです。公証人役場で本人確認を行うと、事前通知を省略することができます。
公証人役場で本人確認をする場合、司法書士などに依頼するよりも費用を節約できることになります。ただし、3ヶ月以内に住所変更登記をしていた場合は、前住所通知は省略されません。現住所に対して事前通知は送付されませんが、前住所には書類が送られてしまいますので注意が必要です。
信頼できるユニバーサルコーポレーション
不動産の権利証は、普段使うものではないため紛失されてしまう方も少なくありません。しかし、権利証は紛失してしまうと再発行ができないため、不動産担保ローンの申し込みを行う際は本人確認の手続きが必要になります。